2012/01/18

今度こそタッチダウン?

なんだかいまいちすっきりしないのは、理学ミッションがはっきりしているのに対して、工学的チャレンジが手薄な感じがするからかな。

「はやぶさ2」、14~15年に打ち上げへ

もともと先代のはやぶさが「工学実験機」だったことを考えれば方向性としては正しいんだろう。
で、それをH-IIAでTNSCから上げるの? 2014年なら内之浦からイプシロンが上がるでしょうよ。

深宇宙探査について忘れちゃいけないのは、探査対象の天体と地球のどっちも公転してるから、ほとんどの場合で、位置関係が「いい」タイミングでの打ち上げをめざしてプロジェクトが進行しているということ。たとえ予算が不透明であっても。一度それを逃すと次のチャンスは2年後とか、ことによると16年後とかそういうスケールで動いてるんです、宇宙は。人間の営みとは違ったタイムスケールでね。

一方でIGS(情報収集衛星)とQZSS(準天頂GPS補完衛星)の「ヒモつき予算」はしっかり確保されるみたい。すぐ役に立つNASDA系に偏りすぎ?ISASがんばれ。日本の宇宙開発の歴史を作ってきたのは「開発事業」だけじゃない。数年前まで別の組織だったとはいえ「宇宙科学」と両輪のバランスの上に成り立っているのさ。

おそロシア。

安全に落ちました。残念ながら。

ロシア探査機の破片、チリ沖の太平洋上に落下

ロシアの火星探査機「フォボス・グルント」、太平洋上に落下

On the situation with the spacecraft "Phobos-Grunt"

Roscosmosのサイトは基本的にロシア語、だがGoogleで英語にするとそこそこ読める。どの程度の翻訳精度なのかは不明。。。

探査機失敗は米国のせい?=レーダー放射原因と報道―ロシア

ロシアに中国が相乗りのプロジェクトだからアメリカ的には落としてやりたいと思うかもね。
でも今回うまく点火しなかった上段のロケットモーターFregatは地上からのコマンドじゃなくて自律的に機能するものだ。そもそも点火する時点でロシアの管制からは光学的にも電波的にもロストした位置を飛んでるはずだし。
高度400kmを時速28,800kmで飛ぶ物体に、きわめて強い電磁波を集中的に浴びせることが可能であれば半導体の誤作動を誘発することは技術的にはありえるかも?

…どこも責任者の立場はつらいねえ。

2012/01/14

カウントダウン。

Roscosmosは英語の情報が少ない。

On the situation with the spacecraft "Phobos-Grunt"

Googleで露 -> 英に翻訳するとそこそこ読めるね。
地上管制からのコマンドに応答しないから大気圏再突入も制御不能、ただ高度が下がって落ちてくるだけ?軌道傾斜角51.4度だから北緯51度から南緯51度までの広範囲に落ちる可能性があるものの、当のロシアの国土はほとんどその中にないのが皮肉。
まあ推進剤のヒドラジンは燃え尽きるだろうから化学的な毒性は心配しなくても大丈夫。

ロシア探査機の最期、肉眼で観測可能?

願わくばサンプル持って帰ってきたカプセルを見たかった。

ロシア探査機落下、15日~16日の見通し……日本含む広範囲に破片落下の可能性

火星探査機 15日ごろ落下か

打ち上げ失敗のロシア探査機、15―16日に地球落下へ
ロシア宇宙庁の責任者は、10日付の地元紙に掲載されたインタビューで、「他国からの妨害工作の可能性もある」と釈明している。
あんたんとこが政治的な思惑で中国の蛍火1号のっけるために急遽仕様変更して推進剤増槽あとづけしたのも関係あるかもよ。

現在地を渋谷に設定してみた。予想時間内に日本上空も何度か通るもよう。

01:26, Jan 15
18:38, Jan 15
0:45, Jan 16

JAXAが公表してる試算とはだいぶズレてるからあんまり参考にならないや。

ロシア探査機「フォボス・グルント」の落下に関する情報について:文部科学省

文部科学省がFacebookを使う意味って何だろう。。。

34年前の宇宙。

かなり記憶が曖昧なのですが、逆算するとまだ僕は小学校に入る前ですね。



今で言うところのお台場みたいです。ガンダムが立ってたとこか?当時は晴海埠頭の方だと思ってた。交通機関は品川からバス!で15分!

日本財団三十年の歩み 本史 3.宇宙科学博覧会

で、これを見て一番驚いたのが、会場に展示されていたロケット(実物?実物大試験機?)の中でも物理的にも存在感もひときわ大きかったサターンは、アポロを月へ運んだサターンVではなくサターンIBだったということ。

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サターンV

全高 110.6m
直径 10.1m
重量 3,038,500kg

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サターンIB

全高 68m
直径 6.6m
重量 589,770kg

(いずれも日本語版Wikipediaより)
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でーーーけーーーーーーー!と思ったことだけ憶えてたのに、アメリカン規格のフルサイズじゃなかったとは。。。まあサターンIBもH-IIBより大きいから大型ロケットの部類ではあるわけだ。
つまりサターンVの方がどれだけ常軌を逸したデカさか、ということですよ。ツィオルコフスキーの公式を考えるまでもなく、ロケットはその機体自体の質量が大きくなるほど全体に占める推進剤の割合が高くなる。実際、サターンVの一段目エンジンS-IC(5*F-I)は2,000t≒50mプール一杯分のケロシンをわずか2分半で燃やし尽くす、人類史上最高出力の機械であり、若干強引だが単位を換算すると約1億6千万馬力に相当する…らしいよ。

事実上、日本船舶振興会(当時)主催だったみたいですね。
高校んとき同じ学年に笹川良一の孫がいたのは、まあ別の話だ。

2012/01/05

わーなー・ぼん・ぶらうん。

ご存知の通りWW II終戦後アメリカに渡りアポロ計画を指揮した男。

ナチスドイツでV2ロケットを開発していた、そして失敗を重ねていたころの貴重な映像。also known as ヴェルナー・フォン・ブラウン。

2012/01/03

とうちゃくー!Going to the Moon.

去年の9月にこのblogを始めて最初のエントリーで書いたNASAの月探査機GRAILが無事に月の周回軌道に乗ったもよう。推進剤を節約(観測開始してからの超寿命化)すべく、ずいぶん遠回りしてやっとたどりついたようです。

NASA's Twin Grail Spacecraft Reunite in Lunar Orbit

グレイル - 月探査機 - 月探査情報ステーション

GRAIL AとBの双子の探査機が月の重力を精密に観測するよ!